AIと倫理
カタログの記録がどのように作られ、誰がその内容を判断し、AIツールをどのように用いるか。
この方針を定める理由
2026年11月、本カタログを監査した結果、Sketchfabの54項目のうち31項目が、記載されたアドレスでは見つからないモデルを指していることが判明した。これらのリンク切れの一部は、数字が連続して繰り返される識別子を持っていたが、これは正規のSketchfab識別子には見られないパターンである。また、有効な項目のいくつかについても、昭和の枠組みに合わせるためにタイトルが変更されていた。アメリカのゼニス社製コンソールが日本の家庭用ラジオとして、西洋のガラス器のセットが酒瓶として掲載されていた。2025年12月に公開された本カタログの初版は、Katherine Strachan氏およびAdam Kay氏によるフィールドワークとコーパス構築を基に作成されたものであり、両氏の貢献は謝辞ページに記載されている。2025年12月以降、本カタログはAnthropic社のClaudeツールを用いて管理されている。監査では、誤った各記録がいつカタログに加わったかを特定できなかったが、これらの誤りは、裏付けとなる掲載ページのない一見もっともらしい記録という、AIツールが生み出す種類の誤りである。確認できなかった項目は現在、公開の保留リストに置かれており、2026年11月以降のすべての項目には以下の規則が適用される。
記録は掲載ページに基づく
掲載ページを記述するすべての項目(タイトル、制作者、ライセンス、サムネイル、ポリゴン数)は、Sketchfab APIを通じて、あるいはマーケットプレイスのページを読むことによって、掲載ページそのものから転記される。各記録には確認日と確認方法が記される。AIツールは、候補となる掲載ページの検索や本アーカイブのコード作成を補助することがある。ただし、カタログのいずれの項目もAIツールが供給することはない。毎週の自動確認により、各Sketchfabモデルが記録どおりのタイトルと制作者のもとで存在し続けているかを確かめ、存在しない場合には公開のイシューを作成する。
判断は学芸員が行う
ある物が特定の時期に適合するか、学生に何を伝えうるか、どのように記述すべきかは、学芸員の判断に属する。各記録の時代適合性は「未評価」から始まり、学芸員が設定したときにのみ変更される。掲載ページの内容がカタログの枠組みと矛盾する場合、記録はその旨をカタログページに表示される要検討メモに記す。2025年に昭和期の採掘機器として登録された、ドイツの炭鉱で使われたフロットマン社製の削岩機の記録には、現在そのようなメモが付いている。AIの補助を受けて作成した解説は、公開前に掲載ページおよび既刊の研究文献と照合する。
制作者とライセンス
本アーカイブは掲載ページへリンクするのみで、モデルファイルを複製・再配布することはない。制作者は掲載ページの表記どおりにクレジットする。クリエイティブ・コモンズの表示ライセンスがそれを求めており、またこれらのモデルを作ったのは制作者自身だからである。ライセンスは、CC BYから商用マーケットプレイスの規約、閲覧のみのモデルまで、各掲載ページの記載どおりに記録する。モデルの利用を予定する者は、まず掲載ページを読むこと。CGTraderの一部のライセンスは、モデルをAIシステムの学習に用いることを禁じており、本アーカイブはその条件が記載されている場合には記録する。本アーカイブは、掲載モデルも、それらについての自らの記録も、AIシステムの学習に用いない。
生成モデルと再構築モデル
AIが生成したモデルは、その掲載ページに明記されている場合に限って掲載し、カタログの記録にもその旨を記す。本アーカイブ自身の3D取得は、Epic Games社のRealityScanアプリなどを用いたフォトグラメトリーによる。現存する実物のフォトグラメトリー・スキャン、資料に基づく復元、生成されたモデルは、それぞれ異なる種類の証拠である。これらを扱う学生は、自分がどの種類のものを手にしているかを知る必要がある。
表象
昭和の物質文化は、ゲームや仮想世界の中で広く流通しており、しばしば繁栄と秩序の過去への郷愁として描かれる。本アーカイブの授業案は、モデルが何を欠いているかを学生に言語化させるものであり、カタログも同じ規律を自らに課す。戦時中に朝鮮人・中国人労働者が石炭採掘のために動員された端島には、建物のモデルでは示しえない歴史があり、そうした場所の記録はその歴史を明記する。
訂正
誤りは、リポジトリのイシュートラッカー、または christopher.gerteis@soas.ac.uk 宛のメールで報告できる。訂正はすべて、日付と根拠を添えて変更履歴に記録する。